2026.04.02
フランスで出会った、時を重ねた美しさ
パリの街を歩いていると、ふと時間の流れが緩やかに感じられる瞬間があります。
そのひとつが、今回訪れた「AXS Design」というセレクトショップ。
パリ市内にあるこのお店は、複数のブロカントが集まる特別な空間。
扉をくぐると、静かに積み重ねられてきた“時”の気配が、やわらかく迎えてくれました。
静かに時が積もる場所

店内には、器やカトラリーが隙間なく並び、どこを見ても心が惹かれるものばかり。
そこには、使い込まれたものを自然に愛でる、肩肘を張らないパリの美学が息づいていました。

印象的だったのは、器を掛ける回転式のラック。
くるくると回しながら選ぶ時間は、まるで宝探しのよう。
食器を“選ぶ”時間が、ひとつの楽しみとして根付いているように感じられます。
手から手へと伝わる記憶

店内で出会ったジアンのアンティーク品。
1866年から1938年頃に製造されたと思われる、アラビア風の幾何学文様が施された一枚。 
裏面には“アラベスク”の表記が見られ、フランスで発表された新シリーズ「ROUEN OR」にも通じる、どこか異国的な気配をまとっています。

プロヴァンスの田園風景を描いたプレートも。
フランスの象徴である雄鶏が描かれたその風景はどこか懐かしく、遠い土地のものでありながら自然と心に馴染みます。 
バックスタンプからは、こちらも1866年から1938年頃のものと推測され、長い年月を経てもなお、その魅力が失われていないことに驚かされます。

手描きならではの温もりが宿る器。
素朴な佇まいからは、心をほどくようなやさしさが感じられます。 
こちらの器は、1938年から1960年頃に製造されたものであると推測されます。
現在Farbeでご紹介しているカラーラインの意匠にも通じるものがあり 、技術や美意識が途切れることなく続いている流れを、改めて肌で感じる瞬間でした。
現代の暮らしへとつながる、美しさ

新しいものの中にも美しさはありますが、時を重ねたものには、また異なる魅力があります。 
AXS Designで出会った器たちはどれも、今の暮らしにも自然と溶け込む魅力を持っていました。
その背景にある美意識は、かたちを変えながら、今へと受け継がれていると感じさせてくれるひとときでした。
●AXS Design
12 Rue St Sabin, 75011 Paris, フランス