2025.07.04
珍しいGIEN/ジアンとの出会い - カンダコーヒー訪問 vol.02 -

ジアンの器で美味しいコーヒーが味わえる喫茶店「カンダコーヒー」。
前回の記事では、お店の雰囲気やマスターのお話を、実際に使われているジアンの器とともにご紹介しました。
詳しくは、スタッフコラム「神保町で味わうGIEN/ジアン -カンダコーヒー訪問 vol.1-」をご覧ください。
▶︎「神保町で味わうGIEN/ジアン -カンダコーヒー訪問 vol.1-」はこちら
今回は、「カンダコーヒー」で出会った、今ではほとんど市場に出回っていないGIENの貴重なシリーズをご紹介します。
なかなか目にすることのないシリーズばかりで、そのひとつひとつに、ジアンの歩んできた歴史が感じられました。
◆Pivoines(ピヴォワーヌ)
シノワズリの雰囲気が漂う、手描きの華やかなシリーズ。
芍薬(ピオニー)が控えめなレッド、イエロー、ピンク、グリーンなどの彩りで繊細に描かれています。
同じ絵柄でも、デミタスカップ(下の写真1枚目:1989〜1998年製)とティーカップ(下の写真2枚目:1960〜1971年製)ではバックプリントが異なり、ジアンの歴史の深さを感じられます。
◆Delft Colorie(デルフト・コロリ)
「Delft」はオランダのデルフト陶器、「Colorie」はフランス語で「彩色する」という意味を持ちます。
中国の染付にインスピレーションを受けたデルフト陶器を想起させるデザイン。
ポットのつまみには、まるでシャチのような生き物があしらわれており、ジアンの中でも特に東洋のエッセンスを感じさせる、珍しいシリーズです。
◆Le Petit Prince(星の王子さま)
こちらは、店頭に飾られていたプレートで、名作『星の王子さま』をモチーフにしたシリーズ。
金継ぎを施しながら丁寧に使われ続けている、マスターの愛着が伝わる器です。
◆OISEAUX DE PARADIS(オワゾ・ドゥ・パラディ)
ジアンを代表する定番シリーズ。
こちらでは、現行品とは異なる形状とデザインのものが使われていました。
持ち手部分は淡いブルーが刷毛で塗られたように表現されており、全体に丸みがあり、優しい印象です。
◆CHEVAUX DU SOLEIL(シュヴォー・デュ・ソレイユ)
愛馬家でもある女流デザイナー「マリン・ウスディック」氏が手がけたシリーズ。
ウスディック氏とのコラボレーションは、Farbeでも取り扱いのある「シュヴォー・デュ・ヴァン」に続き、これが2シリーズ目となります。
テーマは、たくましさと機敏さを象徴する「アラビアン・ホース」。
鉛筆の下描きをあえて残した独特のタッチに、馬を飾るレースやオーナメントが華やかに描かれています。
コバルトブルーと黄みを帯びたオレンジの配色が、光を受けて鮮やかに輝き、馬と人との絆を優雅に表現しています。
◆Allure(アリュール)
ジアンのクラシカルな意匠が詰まったシリーズ。
独特な形状の持ち手と紋章のモチーフが高貴な雰囲気を醸し出し、デザイン性と機能性を兼ね備えています。
こちらは、ジアンの人気シリーズである黒のチューリップがデザインされています。
ポルカドットやリボンのようなアクセントが、クラシックでありながらどこかモダンな印象も与えてくれます。
Aurélie Blue(オーレリー・ブルー)
「輝くブルー」を意味するこのシリーズは、まるでファブリックを抽象化したような愛らしいデザイン。
淡いブルーの色合いが陶器の柔らかな質感にマッチし、やさしい時間を演出してくれます。
時を超えて愛され続けるジアンの器たち。
店内には、他にも多くのシリーズが並び、デザインや形状、色合いなどから、それぞれに時代ごとの特色が感じられます。
器の美しさと、コーヒーの香りが心地よく調和する空間で、穏やかな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
カンダコーヒー
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2丁目38-10
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